労働安全衛生法の適用に関する特例等
 

T

 次に掲げる規定については、派遣元の事業者のみならず、派遣先の事業者も事業者としての義務を負います(これらの規定に関する罰則の規定も適用されます)(派遣法第45条第1項)。
 

 

事業者等の責務等の規定
(安衛法第3条第1項及び第4条)

総括安全衛生管理者の規定
(安衛法第10条)

衛生管理者の規定
(安衛法第12条)

安全衛生推進者等の規定
(安衛法第12条の2)

産業医等の規定
(安衛法第13条及び第13条の2)

衛生委員会の規定
(安衛法第18条)

安全管理者等に対する教育等の規定
(安衛法第19条の2)

作業内容変更時の安全衛生教育の規定
(安衛法第59条第2項)

危険有害業務従事者に対する安全衛生教育の規定
(安衛法第60条の2)

10

中高年齢者等についての配慮の規定
(安衛法第62条)

11

健康診断実施後の措置の規定
(安衛法第66条の5第1項)

12

健康教育等の規定
(安衛法第69条)

13

体育活動等についての便宜供与等の規定
(安衛法第70条)

 
 

U

 派遣中の労働者についての派遣元の事業における安全衛生管理体制に係る次に掲げる規定を派遣元の事業者に適用する場合、派遣元の事業者の義務の範囲は、Tにより派遣先の事業者に課された義務以外に限られます(派遣法第45条第2項)。
 

 

総括安全衛生管理者の規定
(安衛法第10条第1項)

衛生管理者の規定
(安衛法第12条第1項)

安全衛生推進者等の規定
(安衛法第12条の2)

産業医の規定
(安衛法第13条第1項)

衛生委員会の規定
(安衛法第18条第1項)

 
 

V

 次に掲げる規定については、派遣先の事業者のみが事業者としての義務を負います(これらの規定に基づいて発する政・省令の規定及びこれらの規定に関する罰則の規定も適用されます)(派遣法第45条第3項及び第5項)。
 

 

安全管理者の規定
(安衛法第11条)

作業主任者の規定
(安衛法第14条)

総括安全衛生責任者の規定
(安衛法第15条)

元方安全衛生管理者の規定
(安衛法第15条の2)

店社安全衛生管理者の規定
(安衛法第15条の3)

安全委員会の規定
(安衛法第17条)

危険防止等のための事業者の講ずべき措置等の規定
(安衛法第20条から第27条まで及び第31条の2)

元方事業者等の講ずべき措置等の規定
(安衛法第29条から第30条の2まで)

厚生労働省令への委任の規定
(安衛法第36条(第30条第1項及び第4項並びに第30条の2第1項及び第4項の部分に限る。))

10

定期自主検査の規定
(安衛法第45条(第2項を除く))

11

化学物質の有害性の調査の規定
(安衛法第57条の3から第57条の5まで)

12

事業者の行うべき調査等の規定
(安衛法第58条)

13

特別の安全衛生教育の規定
(安衛法第59条第3項)

14

指導監督者に対する安全衛生教育の規定
(安衛法第60条)

15

就業制限の規定
(安衛法第61条第1項)

16

作業環境測定等の規定
(安衛法第65条及び第65条の2)

17

作業の管理の規定
(安衛法第65条の3)

18

作業時間の制限の規定
(安衛法第6条の4)

19

健康診断等の規定
(安衛法第66条第2項から第5項まで、第66条の3及び第66条の4)

20

病者の就業禁止の規定
(安衛法第68条)

21

快適な職場環境形成のため事業者が講ずべき措置の規定
(安衛法第71条の2)

22

安全衛生改善計画の規定
(安衛法第78条及び第79条)

23

安全衛生診断の規定
(安衛法第80条)

24

建設物の設置等に関する計画の届出等の規定
(安衛法第88条)

25

建設物の設置等に関する計画についての厚生労働大臣等の審査等の規定
(安衛法第89条及び第89条の2)

 
 

W

 派遣先の事業に関しては、一定の機械等についての特定自主検査の規定(安衛法第45条第2項)は適用されますが、当該検査を実施する者に派遣中の労働者をあててはなりません(派遣法第45条第4項)。
 

X

 派遣元の事業に関するVの規定及び特定自主検査の規定(第45条第2項)の適用については、派遣中の労働者は派遣元労働者と労働契約関係にないものとみなされます。これにより、Vの規定について事業者が負う義務は、派遣先の事業者のみが負います。また、特定自主検査(安衛法第45条第2項)を、派遣元の事業者は派遣中の労働者に実施させることはできません(派遣法第45条第5項)。
 
 

Y

 派遣元の事業者は、派遣先の事業者が労働者派遣契約に定める派遣就業の条件に従って派遣中の労働者を労働させれば、次に掲げる規定に抵触することとなる場合においては、当該労働者派遣をしてはなりません(派遣法第45条第6項)。
 

 

特別の安全衛生教育の規定
(安衛法第59条第3項)

就業制限の規定
(安衛法第61条第1項)

作業時間の制限の規定
(安衛法第65条の4)

病者の就業禁止の規定
(安衛法第68条)

 

 

 派遣元の事業者がこれに違反して労働者派遣を行い、派遣先の事業者がこれらの規定に抵触した場合(規定に抵触する事実があれば足り、処罰は必要ではありません)派遣元の事業者は当該規定に違反したものとして、当該規定に係る規定が適用されます(派遣法第45条第7項)。
 

Z

 T、V及びWのほかにも、派遣先の事業に関しては、次に掲げる規定が所要の読み替えを行った上で適用されます(派遣法第45条第8項)。
 

 

ジョイントベンチャーについての適用の特例規定
(安衛法第5条第1項及び第4項)

安全衛生責任者の規定
(安衛法第16条第1項)

安全衛生委員会の規定
(安衛法第19条)

 
 

[

 派遣元の事業に関し、安全衛生委員会の設置に係る規定(安衛法第19条第1項)は、所要の読み替えを行った上で適用されます(派遣法第45条第9項)。
 

\

 派遣先の事業者は、安衛法第66条第2項の規定により、派遣中の労働者に対し健康診断を行ったとき、又は当該派遣中の労働者から同条第5項ただし書きの規定による健康診断の結果を証明する書面の提出があったときは、遅滞なくこれらの健康診断の結果を記載した書面を作成し、派遣元の事業者に送付しなければなりません(派遣法第45条第10項)。
 
 また、当該書面の送付を受けた派遣元の事業者は、当該書面を一定期間保存しなければなりません(派遣法第45条第11項)。
 
 これらの規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処せられ(派遣法第45条第12項)、また、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、これらの義務に違反する行為をしたときは、行為者が罰せられるほか、その法人又は人に対しても同様の罰金刑が科されます(派遣法第45条第13項)。
 

]

 派遣先の事業者は、Vの安衛法第66条の4の規定により、医師等の意見を聴いたときは、遅滞なく派遣元の事業者に通知しなければなりません(派遣法第45条第14項)。
 

]T

 労働安全衛生法の適用に関する特例等により適用される同法の規定に関しては、次に掲げる規定は、所要の読み替えを行った上で適用されます(これらの規定に関する罰則の規定も適用されます)(派遣法第45条第15項)。
 

 

労働災害の防止に関する厚生労働大臣の勧告等の規定
(安衛法第9条)

技術上の指針等に関する厚生労働大臣の指導等の規定
(安衛法第28条第4項)

注文者の講ずべき措置の規定
(安衛法第31条第1項)

注文者の違法な指示の禁止の規定
(安衛法第31条の3)

請負人の講ずべき措置の規定
(安衛法第32条)

機械等貸与者の講ずべき措置の規定
(安衛法第33条第1項)

建築物貸与者の講ずべき措置の規定
(安衛法第34条)

安全衛生教育に関する国の援助に関する規定
(安衛法第63条)

健康診断実施後の措置のための指針に関する厚生労働大臣の指導等の規定
(安衛法第66条の5第3項)

10

健康の保持増進のための指針に関する厚生労働大臣の指導等の規定
(安衛法第70条の2第2項)

11

快適な職場環境の形成のための指針に関する厚生労働大臣の指導等に関する規定
(安衛法第71条の3第2項)

12

快適な職場環境の形成に関する国の援助の規定
(安衛法第71条の4)

13

労働基準監督署長及び労働基準監督官の規定
(安衛法第90条)

14

労働基準監督官の権限の規定
(安衛法第91条第1項及び第92条)

15

産業安全専門官及び労働衛生専門官の規定
(安衛法第93条第2項及び第3項)

16

労働者の申告の規定
(安衛法第97条)

17

使用停止命令等の規定
(安衛法第98条第1項及び第99条第1項)

18

労働災害の再発防止のための講習の指示の規定
(安衛法第99条の2第1項及び第2項)

19

報告等の規定
(安衛法第100条)

20

法令の周知の規定
(安衛法第101条)

21

ガス工作物等設置者の義務の規定
(安衛法第102条)

22

書類の保存等の規定
(安衛法第103条第1項)

23

国の援助の規定
(安衛法第106条第1項)

24

疫学的調査等の規定
(安衛法第108条の2第3項)

25

適用除外の規定
(安衛法第115条第1項)

 
 

]U

 Tから]Tまで(]を除く。)の労働安全衛生法の適用の特例等に違反した者は、労働安全衛生法においてこれに相当する規定に違反した者と同じく、労働安全衛生法に基づく免許の取消処分事由、指定の欠格事由等に該当するに至った者として取り扱われます(派遣法第45条第16項)。